障害者と共に生き生きとしたコミュニティづくり
特定非営利活動法人 団栗会

活動地
磯城郡田原本町 
概要
障害者福祉 障害者と共に生き生きとしたコミュニティづくり 
取材日
2009年9月2日

● 団栗の想い

9月2日、磯城郡田原本町にある地域活動支援センターどんぐりの家で、NPO法人団栗会の中山佳世子副理事長、杉江美紀理事にお話を伺いました。 (理事長は天井浩さんです。)

活動場所 看板 どんぐりの家

クッキー作り

どんぐりの家に入ると子供たち、お母さん、地域のボランティアさん、NPOスタッフが一体となってクッキー作りの真最中。部屋中にクッキーの芳ばしい香りと愛情が満ち溢れていました。

NPO法人団栗会の母体は磯城郡の肢体不自由児者父母の会が中心となって、「私達の願い天まで届け!」と重度肢体不自由児の幸せをひたすら願い、福祉への理解も薄かった昭和61年より活動してきたどんぐりの会です。

どんぐりの会はどんぐりの家福祉作業所を20年近く運営してきました。平成18年に施行される障害者自立支援法では福祉作業所の存続が難しいとの判断より、どんぐりの家の存続と通所者の生活を守る目的で同年3月NPO法人団栗会が設立されました。

「私達は死ぬこともゆるされないのです。24時間ほっとする時間すらないのです。この子達が生きている限り、頑張って行かねばなりません。けれどこの子達の笑顔、寝顔が天使なのです。子供は皆な神の子なのです。だから頑張ることが出来るのです。」これが親心と言うものでしょう。

活動内容

具体的な活動

          
どんぐりの家の壁に貼られた活動記録 通所者の今年の抱負


NPO法人団栗会はどんぐりの家と居宅介護支援事業所ころころの運営を通じて、会員向けにレスパイトサービス(介護を要する高齢者や障害者を一時的に預かって家族の負担を軽くする援助サービス)及び福祉有償運送サービスの事業を行っています。
現在、地域ボランティアや行政の支援を受けながら、障害を持つ人やその家族を含む会員80名(正会員25名)と職員6名、パート1名で運営されています。

活動継続の財政基盤

挿現在の活動を維持継続するためにはしっかりとした財政基盤を作ることが必要です。通所する子供たちの生活を守るためにNPO法人団栗会とどんぐりの会は一心同体で活動しています。

河内家菊水丸さんをはじめとした著名人の方の協力を得ながら盆踊り、コンサート、落語会等のチャリティイベントや各種催し物を行っています。その収益が活動資金等に充てられています。これらの活動を会報「あかるく輝いて」で紹介して、賛同者の拡大に取組んでいます。

「大きな船に、何かの縁で乗り合わせた私達。海に溺れないよう、しんどくならないよう、お互い助け合って行きましょうよ。精いっぱい愛し合いましょう。私にできることは何かしら。いつも思いつつ、やっぱリマリンバだけ。記念のチャリティコンサートも、兄と共に精いっぱいの元気印のエールを贈ります。」と、マリンバ奏者の松本真理子さんは言葉を寄せられていました。

また、クッキー作りは20年前から取り組んでいます。最初は近所のお祭り等での販売でしたが、大きなオーブンを寄贈頂いたことを機に本格的なクッキー作りが始まりました。メニューも増え、マドレーヌやケーキ類も焼いています。腕前も上がり、今では、地域の飲食店、JAの販売所、ミニストップ(橿原市内2店舗)においてもらっています。販路をもっと広げたいが製品輸送や賞味期限管理等の問題があり、なかなかうまくいかないとおっしゃる杉江さん。しかし、NPO法人自立に向けた取り組みを着々と進められています。

ディナーショーの案内 クッキーの種類も豊富

私は回転し続ける小さな歯車

これまでを振り返って、「私は小さな歯車。その小さな歯車が動くことによって周りの歯車が動き、さらに大きな歯車を回すことができた」とおっしゃる中山さん。そのエンジンが障害を持った子供たちへの深い思いです。そして、その結晶がどんぐりの家のエレベータです。

平成4年12月に建てられたどんぐりの家は2階建てです。サイズの大きい特別仕様の車椅子で通う子供たちを大人二人で抱えて階段を上り下りしていました。もっと楽に2階からの美しい景色を見せてあげたいとの中山さんをはじめとする親たちの強い思いと行動そして支援者の寄付等により、平成7年9月にエレベータが設置されました。今もこのエレベータを利用して、子供たちが「夢の二階」と呼ばれる娯楽室の窓から、季節の移り変わりを肌で感じています。

今、中山さんが懸念されていることは現在の活動を支えている会員やボランティアの方々の高齢化に伴う次世代へのバトンタッチと障害を持った子供たちが親亡き後に地域で生きていく仕組みをどう作るかです。これは障害者福祉事業が抱える共通問題の一つといえます。中山さんは、可能な範囲は自分たちで、能力を超える部分は他の施設との連携で補うことをお考えのようです。行政、NPO、地域ボランティア等関連のある方々の協力で、障害を持った子供たちが楽しく暮らせる仕組みを作っていこうではありませんか! 

取材を終えて

山から原木を切り下ろし、製材して販売する材木屋の娘として、父親の姿を見て育ったという中山さんは、繊細さをうかがわせる一面、即断即決型事業家の行動力を身に着けた人です。隣人から、「中山さん、あんた○○才のはずよ」と言われ、「そう言われれば、最近疲れが気になり始めたわ」。 「こんな調子なので、若い人にもう任せたいの」、このようにおっしゃいますが、事業の拡張の夢は膨らむ一方のようで、軽快な語り口、温かみ溢れる人柄と行動力に、多くの人々や、「菊さん」(と菊水丸師匠を中山さんは呼びます)達が重度の子供達に深い愛の手を差伸べてくれています。小さな歯車に沢山の歯車がつながって、団栗が天を目指し大木に育つことを念じて今日も明日もがんばっていくことでしょう。



特定非営利活動法人団栗会の連絡先などはコチラ

どんぐりの家のホームページはコチラ


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