奈良の伝統文化をアーカイブ化して世界に発信
特定非営利活動法人 Layer Box

活動地
奈良市を中心とする奈良県全域と、東京を中心とする関東圏
概要
奈良の伝統文化をアーカイブ化してインターネットで世界に発信し、新たな価値の発見とビジネスマッチングの機会を創出し、地元の雇用を生み出す
取材日
2010年10月1日
ロゴ

平城遷都1300年祭参加の舞台【zhu JI SI AONIYOSHI 祝祭祀 あをによし】を主催し、その準備で多忙なNPO法人 Layer Box(レイヤー ボックス)の中上順子理事長にお話を伺いました。中上さんは、月森 砂名(つきもり さな)のペンネームでアート活動や電子書籍を執筆されており、以降は月森さんで表記します。

平城遷都1300年祭に参加の舞台【zhu JI SI AONIYOSHI 祝祭祀 あをによし】は、奈良の文化を知ってもらうには、実際に観てもらう方が伝わりやすいということで企画しました。その際、地元での開催ということで、組織化しさらに大きなムーブメントに繋げようと、昨年6月にNPO法人を設立しました。

活動内容

zhu JI SI AONIYOSHI 祝祭祀 あをによし

祝祭祀 あをによし

【zhu JI SI AONIYOSHI 祝祭祀 あをによし】(10月30日(土)奈良県文化会館 国際ホール)は、金春流(こんぱるりゅう)の「能」と、中国の伝統芸能であり北京から招聘した北方昆曲劇院が演ずる「昆曲」が奈良で初競演、さらに現代アートの映像とコラボする斬新な演出で魅せる地元「舞太鼓あすか組」のコンサートです。

月森さんは、東京でおもに舞台写真を撮影するフォトグラファーで、アート活動をする一方、市川猿之助総合演出の「ジンギスカン~わが剣、熱砂を染めよ~」の宣伝プロデューサーを務めるなど、舞台制作の仕事に従事していた事から、京劇俳優や映像作家と知り合い、また、月森さんのお母さんが25年間、金春流の謡(うたい)と仕舞(しまい)を習っていたつながりから、今回の舞台の出演者に出演をお願いしました。

前日(10月29日)には、同館の国際ホールロビーでレセプションパーティーを開催します。
このパーティーは、第一部では舞台の紹介やデモンストレーション等を行い、第二部では地場産業の紹介、関東の大学が制作した「奈良のプロモーション・ビデオ(PV)」「3Dカメラで撮影した奈良の映像」の初上映会や、奈良の地酒試飲、奈良漬、靴下、和菓子、柿の葉寿司などの地場産業が出店し、地域振興を目的としています。

大和古典芸能講座

大和古典芸能講座

奈良が発祥の地である「能」をはじめとする伝統芸能を理解してもらうために、今年6月には三回に分け、東京日本橋の「奈良まほろば館」で<大和古典芸能講座>のセミナーを開催しました。

「能」や「昆曲」について、金春安明宗家や京劇俳優の張紹成氏、映像作家の金大偉氏に、伝統芸能と文化資産について、歴史的背景、見どころなど、実演やプロジェクターによる映像等を交えて、わかりやすく解説してもらいました。

その時、関東の大学二校(関東学院大学と尚美学園大学)の学生たちが、セミナーに集まる80名だけでなくもっと多くの人に観てもらうために、ハイビジョンカメラと3Dカメラでセミナーを撮り、ライブ配信で各大学へ配信しました。


奈良のプロモーションビデオ撮影

PVの撮影

「平成22年度 奈良県地域貢献活動助成事業」のフィルムコミッショナーを務め、9月には、県外から見た奈良の魅力を表現するプロモーションビデオ(PV)を、ハイビジョンカメラと3Dカメラで奈良市、桜井の大神神社、明日香村周辺、十津川村などを、ライブセミナーを撮影した関東の大学二校により撮影しました。

その様子を朝日新聞、毎日新聞、奈良新聞、奈良テレビ「ゆうドキッ!」、近鉄ケーブルネットワーク「Kパラnext 木曜日」の「シュウォッチ」に取り上げてもらいました。

今回奈良に来たのはWebで宣伝していくための広報の勉強をしている学生であり、撮影した映像を学校に持ち帰り、映像クリエータ系の学科の学生にこれをつなげる役割を担っています。そして、来年ふたたび奈良に撮影に来て、2012年にカンヌ国際広告祭に出展する予定です。


あをによしTV

あをによしTV

いろんな人が奈良の文化や観光資産をWebで公開していますが、文化資産(セミナーなどを含む)をまとめていくポータルサイトとして、奈良の文化映像を撮ってアーカイブ化し、ネット配信をしたいと思い、今年8月から暫定的に 「あをによしTV」を立ち上げました。 伝統的な文化資産を残しておくことは、後継者問題にも有効ですし、伝統技術をきちんとデータとしてアーカイブ化しておくと、国内外の企業とのビジネスマッチングにも役立ちます。

「あをによしTV」は、歴史があり、文化資産とするような活動を行う地場産業を紹介していこうと、法隆寺や唐招提寺などの文化財の瓦を作っている奈良阪の瓦屋さん(株)瓦道(がどう)の鈴木社長や鹿せんべいの武田豊社長にインタビューした映像を配信しています。

現在、「あをによしTV」では、NPO法人でインタビュー、撮影、編集、アップロード作業、サイト制作を行っていますが、これからは、地域の人たちに、取材したり、カメラで撮影したり、編集したり、アップロードしたりといろんな仕事をして頂きたいと考えています。

たとえば、プロでなくてもビデオがうまい人はいるし、お母さんでも子供さんを撮れば上手な人がたくさんいます。そういう人たちが撮影の中心になってゆけばいいし、地域の住民たちが自分たちの周辺の魅力をアップロードすればいい。

更新していくだけでも大変なWebの仕事を、高齢者の方、子育てで外に働きに出られない人たちが、自分の自由にできる時間で働いてもらいたい。そして、ビジネスマッチングの企画を立てて企業に提案できるビジネスプランが生まれ、その結果、地域の人たちが楽しく街づくりしながら、雇用が生まれ、収益が上げられるようになれればと思います。 奈良県の風土にそぐわない産業を無理に誘致するのではなく、奈良県全域が博物館であると考えて、文化的に豊かな暮らしを目指すことに、奈良の生きる道があるのかなと思っています。

取材を終えて

NPO法人の資金源は微々たる会費だけであり、貯金を切り崩してまでも今の活動を続けたいのは、「奈良の伝統文化や芸術を、他府県 特に今暮らしている東京の人に伝えるという事に生きがいを感じる。」事だと、熱い思いを月森さんは語ってくれました。
奈良の伝統文化・芸術をアーカイブ化し、世界に紹介する思いは素晴らしいものであり、奈良の埋もれた魅力を知らせるための活動に、今後ともご活躍する事を期待しています。これからは活動を支えるさらなる人材の育成と資金源を確保するシステムづくりが望まれます。

なお、月森さん(ユーザー名:SanaTsukimori)は【祝祭祀 あをによし】をツイッターでつぶやいています。

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