ロード・レポートで道路管理者も道路利用者も安全で安心
特定非営利活動法人 関西環境とインフラを考える会

活動地
奈良県内
概要
主に国道24号、165号の道路状況をロード・レポートし道路管理者へ報告、補修方法を提言します。
また、奈良にある文化財を訪ねその古きをまなび、新しきを考える啓発活動を行っています。
投稿日
2010年11月16日

 社会に役立つことを

私たちは企業や行政機関等での経験や知識を少なからず備えた60歳から75歳の高齢者集団です。私たちは各組織に世話になり、現在まで育てられた社会に対し『何らかの恩返しを!』との思いから有志数人で当会を設立し、いろいろな模索を経たとき、近い将来、私たちのような高齢者が社会で『何が出来るか!』を考え、高齢者が元気で、生きがいを感じ、社会貢献に寄与できる事業を創り出すことに思い到りました。

そして、まずは各人の経験の中から出来ることを活動の第一歩として道路、河川の巡回点検を始めてみようということになりました。もちろんこれには、各管理者の理解と協力が必要ですので、相互に協議し『協定』を結んだ上で始めることになりました。これを契機に活動範囲を広め、他団体の業務にも進出することと成りました。

 目線を変えて

当NPO法人では、現在30名の国土交通省OB会員で構成され次のような活動を行っています。

国土交通省では、平成15年度から「ボランティア・サポートプログラム」の「ロード・レポーター制度」が創設され、当会が全国に先駆けて実行することになりました。道路に関するあらゆる事象、状況を把握し、情報として道路管理者に報告するシステムです。今までは、道路管理者自身がその状況を把握していたのですが、少し目線を変えて道路利用者の立場で見てみようという試みです。

その内容は、国道24号、165号の特定区間を当会会員が毎月1回、徒歩で区間を分担して巡回します。そして車道や歩道、交通流等を道路利用者・市民の目線で見て安全、安心に利用できるような形状かどうかを注視、確認します。それによって、不安全な施設、不都合な箇所は速やかな補修を提言し道路利用者の安全・安心を得ることとしています。
平成22年度は、平城遷都1300年記念祭開催と関連して、奈良市内の主要幹線道路の総点検を実施しました。

活動内容

 ロード・レポーター

国道24号、165号の特定区間(延べ80km)を、毎回一人3~4kmを徒歩巡視し記録にまとめて報告します。その内容は、主に不安全、不具合箇所の点検です。私たちは、永年国土交通省で培ってきた道路に関するあらゆる知識を最大限駆使し、技術的にも、法律的にも妥当な意見を提言します。
さらに、道路利用者・市民の立場での点検ですから、主に歩道周辺の危険箇所や障害物、不法看板等に注視することは当然ですが、『歩行しやすい歩道の環境づくり』にも関心を持ち、美観なども重要視します。

たとえば、折角作った花壇が放置されたままであったり、雑草が繁茂し放題だったり、樹木が枯れてしまっていたりするなど、日常のきめ細やかな管理が行き届かないところを補完する役目が大切だと思っています。また、地域に密着した視点も重要です。例えば、その沿線が商業地域であれば賑わいを、住居地域であれば静穏さを重視した環境づくりを提言するなどです。

歩道柵の点検(柵の不具合を調べる) 横断歩道マークの点検(マークの摩耗) 不法看板(歩道上の不法占拠)
歩道柵の点検(柵の不具合を調べる) 横断歩道マークの点検(マークの摩耗) 不法看板(歩道上の不法占拠)

 橋梁点検

側道歩道の点検(高欄の不具合を見る) 橋梁幅員の点検(橋梁台帳の整備資料)
側道歩道の点検(高欄の不具合を見る) 橋梁幅員の点検(橋梁台帳の整備資料)

道路には、橋梁の種類として大橋梁、中小橋梁、溝渠、暗渠などがあります。これらの構造物が、現在どのような状況にあるかを定期的に点検把握しておく必要があり、この調査を定期点検といいます。

道路管理者の立場でこれを実施するには調査経費、人件費ともに嵩み、必ずしも十分ではない場合が見受けられます。しかし、構造物は常に維持管理することが大切です。

当NPO法人では、これらの問題を解消するために協力させていただいております。具体的には、現地に赴き実橋梁を目視点検する方法です。橋梁は上部構造、下部構造、基礎構造そして沓構造部に分けて技術的判断を加味しながらその老朽度をチェックします。危険度の順位をつけ道路管理者に報告します。

平成22年度は、奈良県管理の国道169号線と奈良市管理の東部幹線道路の橋梁を点検しました。
道路管理上大切な基本台帳の不備な橋梁がまだまだ多くあります。そんな場合、直接現場での計測作業が必要となり、台帳の整備から始めなければなりません。

 文化財啓発運動

奈良県にある多くの文化財の中で、特に古代のインフラと考えられる古墳、御陵などの遺跡や、寺社仏閣などを訪ねウォーキングによる啓発活動を行っています。日常、一般観光客があまり訪れない遺跡などにスポットをあて、これに精通した講師をお招きして造詣深い興味あるお話を聞かせていただいています。

平成21年度は、天理市の巻向遺跡、箸墓古墳や山の辺の道沿線の御陵や神社などを5回に分けて散策しました。平成22年度は、平城遺跡周辺と西大寺、西の京そして橿原畝傍御陵周辺を5回に分けて散策しました。各回ともにおおよそ4~5kmの旅程で、それぞれ歴史的背景、故事、繋がりなどを探求しつつ散策しました。参加者は、毎回30~40人の参加があり古きを学び、新しきを考える啓発活動を実施しています。

最寄の駅前に集合 御陵への散策 参加者全員で記念スナップ
最寄の駅前に集合 御陵への散策(マークの摩耗) 参加者全員で記念スナップ

 河川等環境再生調査活動

当該調査は全国水環境マップ委員会からの水質調査活動に協力するもので、毎年調査の結果を全国の各水系毎に『水環境マップ』を作成公表されています。当会員はこの調査に参加するとき、地域の子供たちに対して、河川や湖等の大切さや水質の汚染問題とその調査の方法などを子供の目線に立って指導を行っています。これによって将来の担い手に河川等のインフラについての関心を高めてもらって良い環境の日本を目指していただければと努力しています。

 これからの目標

我々が日常一般に利用しているインフラストラクチュアとは、道路施設、河川構造物等多々ありますが、まず第一に常に良好な維持管理が施されてこそ正常な運用が保たれるということです。維持管理を怠ればその施設には必ず不具合が生じ、使用不可能な事態に到ります。道路でいえば、その道路の利用価値に応じたサービスレベル相当の維持管理が必要です。ところが、現在あまりにも多くの施設を管理しなければならないために、管理者は全てに目が行き届かないところがあるのは否めない事です。日常生活に密着する施設においては、なおさらのことです。

我々は、これらの点に着目し少しでも改良できることがあればと思い協力を惜しまないつもりです。
したがって、今後活動範囲を広め各自治体の管理者とも共通の認識に立って活動して行きたいと考えています。

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