秋篠川を「いこい」「ふれあい」「ときめき」の場に!
任意団体 秋篠川源流を愛し育てる会

活動地
奈良市中山町西1~4丁目の桜並木のある延長1.3kmの区間
概要
秋篠川の堤防に皆で植樹した桜を育て、川を守り、地域のふれあいの場をつくる
取材日
2011年3月24日

未だ暖房の欲しい早春の秋篠川源流域の住宅街の一角にある自治会集会所で、秋篠川源流を愛し育てる会会長の芦田一彦様と事務局長の橋本哲夫様に会の活動について伺いました。秋篠川周辺を練習コースにしている地域のランニング仲間たちで秋篠川に桜並木があったら良いな、と話し合っていた平成8年のこと、奈良市が平成10年に市制百周年を迎えるにあたり、市民に記念事業のアイディア募集をしていたのを知りました。そこで、「秋篠川の堤防に桜を植樹し、地域ふれあい植樹祭をした後、皆で育てていく」というアイディアを市に提案して採用されたのが、会発足のきっかけとなりました。秋篠川沿いに118本の桜を植樹し、その桜の里親を募集して、発起人と桜里親で構成する当会を平成8年7月に設立しました。以来、桜の木も年々少しずつ増やしつつ(現在156本)今日に至っています。


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秋篠川沿いの桜並木の場所 活動紹介スライドショー

平成22年11月28日に、「市民活動フェア2010~ひろげよう!ボランティア・NPOの輪」をテーマに市民活動フェアー2010が開催され、ここで、秋篠川源流を愛し育てる会の活動を紹介しました。120人の参加者に多くのヒントを提供することが出来たものと思います。

秋篠川に桜を植樹するには管理する奈良県の占有許可を得る必要があります。当初、奈良土木事務所の許可がなかなか下りませんでしたが、自治連合会等にも協力を仰ぎ、地域全体の要望と言うことでようやく許可を得ることが出来ました。

このような経緯を経て、会員数は自治連合会や地域共同体等35団体、家族や個人が122組となっています。

活動内容

会の活動の特徴は秋篠川源流域、登美ヶ丘中学校区の様々な団体を巻き込んでいることです。小中学校、自治連合会との関係を保ちながら、秋篠川沿いの桜を縁に地域のつながりを作る活動をしています。しっかりとした効果的な広報、関係団体の協力と支援、資金を得ながら、様々な活動を楽しんでいます。

 こんなことをやっています

秋篠川クリーンキャンペーン毎月1回、桜並木のある延長1.3kmの秋篠川の清掃と、桜並木の世話(下草刈り、せん定等)を有志で行っています。
秋篠川燈火さくら祭り原則4月の第1土・日の2日間に実施します。昼間は桜並木の子ども達の絵や環境啓発ポスターを飾ったり、子ども遊び広場を設けます。さらにお抹茶接待や、フランクフルト販売もして、日没からは桜並木の下の燈火を並べ、かがり火を焚いて幻想的な夜桜を楽しんでもらいます。平成22年の2日間の人出は延べ4千人でした。
秋篠川で川あそび大会5月に親子を対象にして川とその周辺の生きものを採取・観察して、その後講師から生きものと環境との関係について解説してもらいます。
桜里親の集い講演会のあと、里親同士の交流会を開催。年2回程度開催します。
その他リバーウオッチ・ハイク、自然観察会、毎月1、2回秋篠川の水質検査をしています。

秋篠川クリーンキャンペーン 川遊び大会 秋篠川燈火さくら祭り
秋篠川クリーンキャンペーン 川遊び大会 秋篠川燈火さくら祭り

 地域の様々なつながり

平成22年度には河畔に「秋篠川で見られる動物たち」という看板を『登美ケ丘中学校区学校支援地域本部』と共に設置し、平成23年度は秋篠川周辺で見られる植物の看板を設置する計画です。地域住民が秋篠川の清掃活動に参加、『鶴舞小学校』の4年生が環境教育の一環として川の清掃に参加し、さくら祭りに環境ポスターを展示します。『登美ヶ丘中学校』が取り組んでいるホタルの養殖事業に協力します。『平城西小学校』はさくら祭りに放課後教室やウイークエンドクラブ水彩画教室の子ども達が絵画を展示しました。奈良市グリーンホール「遊びの城」のさくら祭りに子ども達の絵画を展示しました。橋本さんはレクレーションコーディネーターをされていますので、このように会として関わり方も上手です。

 活動資金集め

協賛金や助成金、会費で活動が賄われますが、それには日頃の活動の成果が問われ、これを伝える日頃の努力が大切になります。秋篠川燈火祭りには平城西地区自治連合会から、川あそび大会には奈良県レクレーション協会から、環境保全活動には奈良コープから、桜祭りに平城西地区社会福祉協議会から、清掃用具等は奈良県緑化推進協会からそれぞれ支援を得ています。そのほか「なら未来創造基金」や「セブンイレブン緑の基金」など各種団体から助成を受けながら活動を続けています。これらを見ても広域の理解と協力が得られていることが分かります。

 サポートは

一団体だけでは出来ることは限られますが、協力の得られるところを積極的に活用しています。会議等集会の場所として中山町西2丁目自治会の集会所を借用したり、それぞれ会員登録することにより、西奈良ボランティアセンターの印刷機、会議室、ロッカーの利用、奈良NPOセンターには広報や資金調達アドバイスを受けていますし、奈良市ボランティアセンターには広報活動の協力をしてもらっています。

 知ってもらうこと

会員や地域の人々への案内にどこの団体も苦労するところです。秋篠川源流を愛し育てる会では、奈良ボランティアネット、自治連合会機関誌「いきいき平城西」(2~3回/年)、自治会を通してチラシを各戸に配布、メールマガジン掲載(奈良のボランティア情報誌、奈良NPOセンター)、会員に対するダイレクトメール、電子メール、口コミとなっています。これからは会員への連絡には電子メールをさらに活用して経費削減を目指したいとのことでした。

 これから目指すもの

川の清掃は有志で10年以上続け、年々参加者は増加傾向にあります。収集するゴミ袋の数は減少し清掃の効果がでてきています。また、桜祭りは内輪の花見会に始まったものですが、年々花見客が増え、今では地域の大きな行事に育ってきました。各種イベントを通じてお互いに地域で知り合いが増えています。

会は現在も法人化はしていませんが、長続きの秘訣は、しっかりした組織を作ることと、スタッフ自身が楽しむこと、熱意のある役員を集めること、事業資金を確保すること、この四点だと指摘されました。今後の課題は、秋篠川の水質改善策、役員の後継者、活動資金の確保です。「奈良市緑の基本計画」に基づく「水と緑のネットワークづくり」の促進を身近な自然が残る秋篠川をフィールドとして、地域に密着した地道な活動で自分たちの街をより良くすることに取り組んでいます。

 取材を終えて

新興住宅地が共通して抱える課題は、会社勤務者がほとんどで住民間のつながりが希薄であること、少子高齢化傾向などです。最近では、保守的になりがちな自治会の枠で取り組む他に、数年任期の課題解決型の委員会形式で取り組む例がみられるようになりました。ランニング仲間の発想で始まった桜並木を地域の「お宝」として、地域の皆が関わって育てることで人々の顔が見えるようになると思います。156本の桜には一本一本に里親の名札を付けています。秋篠川源流を愛し育てる会は、桜が大木となる50年先を見据えて、発起人がいつまでも中心活動をするのでなく、実行委員会形式にして継続性を保ちたいとのことでした。

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