安全第一、気楽に楽しい森づくり。その輪を県下に広げよう。
(任意団体)奈良県森林ボランティア連絡協議会

活動地
県立矢田山自然公園「矢田山遊びの森」
概要
森林活動(植樹・伐採・材利用)、リーダー養成研修と山村交流及び活動の輪を拡大(紀伊半島三県森林ボランティア交流大会)
投稿日
2011年8月25日
森からの贈り物 県立矢田山自然公園「矢田山遊びの森」
森からの贈り物 県立矢田山自然公園「矢田山遊びの森」
(図クリックで拡大)

森に親しむことは自然を知ること。豊かな森は人も海も生き生きとさせる、そう思っている人は沢山います。その思いが一つになると大きな力になるに違いありません。

現実に目を向けると、住宅地近くの竹林、郊外の雑木林、人工林が荒れ果ててきているのが実情です。

雑木林は昭和30年代の燃料革命、化学肥料の普及により、それまで行われてきた薪や、堆肥としての落ち葉かきなどをやめ、利用しなくなり放置されたまま荒れていきました。スギ、ヒノキ林は戦後の材木ブームで田畑をつぶして植林しましたが、昭和40年代になり安い外材が輸入されると、国産材が売れなく、枝打ち、間伐をする人も少なくなり、暗い森が目立つようになりました。竹林もしかりです。安い筍が輸入され、竹かごなどもプラスティックに置き換わり、竹林の利用、手入れをしなくなってしまいました。一方、森林のもつ機能の内、木材生産以外の公益的機能(水資源の涵養、保健休養の場、地球温暖化防止など)が注目されるようになりました。

そのような気運の中で、森の手入れを地域住民主体で行おうと、森林ボランティアが各地で立ち上がりました。平成9年には、全国で約280の団体が活動していました。(現在では2500位と思われます。)ボランティア団体の悩みは、一般市民が参加可能なフィールドの確保、技術的な指導やリーダーに対する研修などです。平成10年9月の台風7号による森林の大被害復旧にボランティアも協力したいと、県下8団体による奈良県森林ボランティア連絡協議会を同年11月に設立し、グループ活動の相互ネットワークを図っています。そして、その事務局を前年に設立されたグリーンボランティアならクラブ(現在のNPO法人森づくり奈良クラブ)が担うことになりました。

活動内容

平成9年に作られた奈良県立矢田山自然公園「矢田山遊びの森」を拠点として、奈良県森林ボランティア連絡協議会は森林、林業、農山村の豊かな未来の創造に貢献しようと、現在では会員41団体が活動しています。 国有林「ふれあいの森」「古事の森」「ENEOSの森(高取山)」での活動を含め、様々な活動をしています。

天平の森植樹祭開会式等
(左上)天平の森植樹祭開会式・(左下)植樹祭
(右上)奈良北高教育林間伐体験・(右下)子どもの植栽

森に親しむ

森林作業には、木を伐る、木の枝を切る、つるや笹を切る、木を植える、木を育てるなどがあります。その森をどのような森にしたいかで作業の内容も変わってきます。森の仕組み、樹木の特性などを指導者と共に考えながら作業をします。

  1. 植樹祭
    つるや笹で覆われていた昔の田んぼの跡地に森を甦らせるのが狙いです。湿った所には柳やハンノキ、乾いた所にはコナラやクヌギ。スタッフに手伝ってもらえれば、子どもでも植えられます。植え終わったら、樹名板に樹の名前、植えた年月日、植えた人の名前を書いてぶら下げます。
  2. 間伐
    森を大切にすることは、木を伐らないことと思っている人が多いようですが、手入れをした山とそうではない山を見比べれば良く分かります。実際に間伐をしてみると一本伐ることで周りがぱっと明るくなります。数年すれば残された周りの木が成長し、下からは別の新しい木が育ってきます。

作業の中で、季節の移り変わりなど、五感を通していろいろな発見があります。苗木の穴を掘るとヤマアカガエルが冬眠していたり、春にはシュンラン、ショウジョバカマの花が見られたり、ワラビやツクシも採れます。

里山整備で出た材や間伐材の活用

仏教の言葉に「山川草木悉皆仏性」(山・川・草・木には悉く仏様がいる)があります。また、生息する動植物(害虫や毒草と言われるものも)には、これは要らないというものは無く、それぞれ生態系の仲間です。たまたま、間伐や苗木を育てるということで、運の悪かった木や草が伐られたり刈られたりするのです。切り倒した木や、刈り取った草は山に放置すると最終的には二酸化炭素などに分解されてしまいます。クラフトやベンチとして利用さていている限りは二酸化炭素をとじ込めておくことが出来ます。

クラフト作り 松ぼっくりの動物作り 間伐材を利用したベンチ作り 竹炭焼き
クラフト作り 松ぼっくりの動物作り 間伐材を利用したベンチ作り 竹炭焼き

ボランティア活動として午前も午後も作業となると、二度と森林ボランティアに行きたくないと思う人が出てくるかも知れません。ということで、午前中は作業で、午後からは軽作業、樹木観察、クラフト作りを行うことがあります。間伐材を輪切りにして、「モクマルくん」作り、木枝を使って「モッくん」作り、松ぼっくりやヤシャブシを使って動物作り、つるを使って「クリスマスリース」作り、お正月の卓上「ミニ門松」作りなど、その他、間伐材を利用したベンチ作り、ドラム缶窯での竹炭焼きなどを行っています。

森づくりは人づくり

樹木観察 研修会
樹木観察 研修会

林業では、杉、檜を育てる作業のことを、保育作業と言っています。種子とり、苗木づくり、植林、苗の下草刈り、つる切り(年に2回、苗木が雑草より高くなるまでの3~5年)、除伐、枝打ち、間伐、枝打ち、間伐、そして間伐、以上を経て50年から80年で伐採。人間の子育てのようです。

森林ボランティアに参加する人の動機は、多くが林業経験者ではなく、山歩きが好き、釣りが好き、山の荒廃を見てとか、健康維持の為とか様々です。

森林作業では、のこぎり、かまをはじめチェンソー、刈払機など動力を使い多くの人と一緒に作業をします。また、森林にはヤマウルシなどの有害植物、マムシ、スズメバチなどの有害動物もいます。森林ボランティアとしては、自分でけがをしない、他人にけがをさせない行われてきた安全作業が第一です。毎年県主催の安全教室があり、一回は受けてもらうことにしています。また、奈良県森林ボランティア連絡協議会でも毎年1泊2日のリーダー研修を行っています。

その他、森林、樹木について、シイタケ植菌などの勉強会、実習なども行っています。最近は小学生の森林学習にも関わるようになり、森林レクレーション、クラフト作りなど身に付けなければならなくなってきました。

夢は森林と人の良い関係

森林に入ると得られる心地よさ、爽快感、清々しさから30年ほど前「森林浴」が提唱されました。その後の研究でフィトンチッドの効果が知られるようになり、2004年ごろから本格的に「森林系環境要素がもたらす人の生理的効果の解明」とした調査研究が始まりました。その結果、森で過ごすことで、ストレスを感じると分泌されるホルモン「コルチゾール」が減ったり、抗癌作用があるとされるリンパ球「ナチュラルキラー細胞」の活性がアップするなどが分かりました。

現在では、「森林浴」ではなく「森林セラピー」の言葉が使われ、全国44市町の森が「森林セラピーロード」「森林セラピー基地」として、「NPO法人森林セラピーソサエティ」から認証を受けています。奈良県では第1号として吉野町の津風呂湖周辺で申請中です。森林ボランティアとして、自分たちの手で自前の「森林セラピーロード」を整備してみませんか。多分それなら、あそこ辺りが該当しそうだと思われる場所もあることでしょう。多くの人に森林を訪れてもらい森林ファンを増やしましょう。

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