商工会と二人三脚で町づくり 「住民福祉の充実と文化の向上で地域社会の発展に寄与」
特定非営利活動法人 広陵町福祉環境推進ネットワーク

活動地
北葛城郡広陵町
概要
福祉資格取得セミナー開催と地域住民のつながり活動
取材日
2009年10月29日
 
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町標識 広陵町商工会館

10月29日、北葛城郡の広陵町商工会館内にある事務所で、NPO法人広陵町福祉環境推進ネットワーク(略称:NPO法人こうふくかん)の 吉川英敏理事長にお話を伺いました。

靴下生産の町

奈良県広陵町は靴下生産量全国一の町です。靴下の生産には編み立て部門を頂点に、染色、セット仕上げ、刺繍、縫製等20以上の工程 があります。これらの工程は一般家庭内職への依存分野も多くあり、地場産業として地域経済を支えてきました。しかし近年、安価な東南 アジア製等に押され、その事業規模も小さくなり、新しい産業への転換の必要性と、高齢化する商工会会員が今後抱える課題解決のため、 広陵町商工会が2004年に環境・福祉ビジネスの研究会をスタートさせました。

1年間活動した結果、このまま解散するのはもったいないとの想いより、相互に支えあう商工会主導型NPOとして、2005年11月にNPO法人 広陵町福祉環境推進ネットワークを設立し、現在、商工会OBを中心とした12名の会員がいます。高齢化社会の中で、いつまでも健康で互い に支えあうことのできる地域づくりや、次世代を担う子供たちとの世代間交流を深める活動を行っています。

活動内容

新たな雇用創出を商工会とともに

広陵町商工会は介護・福祉ビジネスで靴下製造に代わる新しい雇用創出を図るべく、いろいろな取り組みを行っています。特に人材育成 に着目し、介護福祉士国家試験対策講座、ホームヘルパー養成講座(2級課程)、福祉住環境コーディネーター受験対策講座(2級)等、資格取得 を目的とした有償講座を毎週土日に行っています。講師は大学の福祉関係の先生や介護事業所の方など、その道の専門家です。受講者は福祉 関連事業を行う小売店、雑貨屋、レンタルショップ等で働く方だけでなく、これから福祉関連事業を立ち上げようとする方や、就労を目指す 方々で、奈良県全域から集まってきます。福祉施設の開設や就労の支援として、この講座の管理、運営をサポートしているのがNPO法人 広陵 町福祉環境推進ネットワークです。

商工会は靴下製造から出る切りくず(ハギレ)のリサイクル事業を進めています。希望される老人福祉施設などにカラフルなハギレを送り、 手の不自由な方のリハビリや文化活動の一環として、マット、かばん、スリッパ等の作品作りに利用頂いています。この福祉と環境が結び付 いた事業をさらに推し進めるために、指編みの指導、パンフレットの配布、作品展などを行っています。今年も全国から約140点の応募があり ました。

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輪形のハギレ 全国から集まった作品集1 全国から集まった作品集2 この作品もハギレで出来ています

横つながりで地域を活性化

最近、定年退職した人や一線を退いた自営業者など元気なお年寄りが増えています。この元気なお年寄達がいつまでも元気に過ごせるよう、 ハイキングやウォーキング等、介護予防を目指したイベントを行っています。今までに曽爾高原、勝尾寺・箕面の滝、馬籠・妻籠等の探訪や、 お年寄りどうしのつながりを広げるために、神戸花鳥園と昼食バイキング、NGK観劇とバイキング昼食会等の催しを行いました。

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ジャガイモ収穫中 汗を流すとおいしいな~ 昨年の大根収穫祭

子どもを対象とした農業体験ふれあい事業を行っています。商工会館の近くに借りた畑に、じゃが芋、さつま芋、大根、たまねぎの季節の 野菜を順に植えて、無農薬で育てています。参加者の中には健康維持のため家庭菜園にチャレンジする人も出てきています。また、収穫期には 町内全域の保育園児や幼稚園児に収穫体験と収穫祭を楽しんでもらっています。

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左・子供達からの感謝の気持ちです / 上・今年の収穫が待ち遠しい千本の大根 / 下・玉ねぎ作付け用地

ここでは収穫体験だけでなく、大根の漬物教室、独居高齢者に配食サービスを行っている町内のボランティアグループが担当してその場で 料理して食べる、お土産に持って帰る、等の楽しみもあります。

感謝の気持ちとして、子供たちから贈り物が届きます。 今この畑には1,000本の大根が植えられています。収穫時にはどのような料理に変わ るのかが楽しみです。





ますますこれからが楽しみ

今回取材したNPO法人広陵町福祉環境推進ネットワークは商工会主催の福祉講座運営管理事業を継続的に受託することで、財政基盤の安定を 図っています。またその財政基盤を背景に、会員が有償ボランティアとして活躍できる独自の事業メニューを立案したいとのお考えで、県外の 事例研究を現地に出向いて積極的にされています。

この商工会との二人三脚という仕組みは商工会という信用力や機動力と、NPOの特性とがうまくバランスしており、NPOを設立、運営する新 しいモデルになる可能性を感じました。企業のNPOへの財的支援、人材交流が聞かれるなかで、商工会がNPOと同じ理念の下に、NPOの事務局機能 を代行しているとてもユニークな姿です。

今後、市町町の合併が進むと、行政サービスがより遠い存在になって、地域住民へのサービス、地域特性が薄れがちになるとの危機感が一般 的に指摘されています。商工会はその下に地域事業者が集結して独自に活動をしている組織ですから、住民に最も近いとことにあって、弱小組合 の事務局代行やNPOとのパートナーシップで地域興しを進める可能性を持っています。

・広陵町商工会のホームページはこちらです。http://www.koryonet.or.jp/
・略称NPO法人こうふくかんのホームページはこちらです。  http://www.koryonet.or.jp/npo/kohukukan.htm

今後の抱負として、野菜の作付け品目を増やし、子供たちに体験してもらうこと、地場野菜の調理方法講習会、高齢者の健康維持に役立つ教 養講座、災害時における高齢者支援の為の講座などを計画したいとのことで、地域の人々の交流と互いに支えあう元気なまちづくりの為に、各事 業活動への参加を求めておられます。



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