全国の大学の教育資源を共有するeラーニングで青年の育成と社会への還元
特定非営利活動法人 サイバー・キャンパス・コンソーシアムTIES

活動地
事務局-奈良市帝塚山 / 活動範囲-全国及び一部海外
概要
大学教育システムの改革と教育配信技術の環境整備
取材日
2009年12月14日
  

社会は高度化と複雑さを増しています。このような環境下にあっては、明日の社会を担う青年達への教育は従来思考ではなく新たな手法が求められること、 社会人の生涯教育との連携した仕組みづくりが社会的な要請として生まれています。

このような大学の研究教育現場からの気づきの下に、ICT技術を駆使した仕組みづくりの中核的存在として取り組んでいるのが、特定非営利活動法人サイバ ー・キャンパス・コンソーシアムTIES(略称NPO法人CCC-TIES)です。帝塚山大学の東生駒キャンパスの一角に事務所を構えるTIES事務局の北尾様と堀様を取材 しました。

大学教育の更なる質の向上と、社会に有意な人材を育成するためには、各大学が連携して、教育資源の共有、公開によって大学教育の充実と共に、社会に対 する「知域(知の領域)」の拡大を目指すことが必要です。1996年に、帝塚山大学の教育熱心な数人の教員を中心にインターネットを利用した高等教育内容の 公開と、更に大学連携による教育の質向上と改善を目指す「TIESプロジェクト」を実験的に開始したことが始まりです。

そして、そのeラーニングシステムを利用する大学や教職員個人では解決できない問題に組織的に対応し、他の多くの教育関係者、教育機関、関連する企業 ・行政関係者との協力や連携を行って教育関係者を中心としたコミュニティを形成するために、2006年5月にNPO法人CCC-TIESは大きな期待をこめて設立されま した。

活動内容

活動概要図

● 目指すもの

連携教育機関、産業界及び地域社会を対象に、eラーニングの手法と技術を活用して、教育の改善と充実を図る事業を進めています。このために、教育 コンテンツの充実と高度化や共通化を促進するとともに、教育手法と技術の研究開発、教育配信技術の環境整備の活動を行っています。

環境整備として、サーバーの信頼性確保と経費節減の方策や、システム運営方法、何時でも、何処でも、使いやすい仕組み、利用を国内の学生だけでは なく、海外の大学、一般社会人にまで拡大する方法とか、様々な研究をされています。現在、74の大学が参加し、995人の教員が活用、学生利用者数は約5 万人、一般利用者数は約2,600人、講義数は46分野の1,279コースという状況で、蓄積された教育資源は数万講座に及ぶとのことです。




● 具体的には

H21年度の取り組み計画は次のようになっています。

  • インターネットを活用した教育機関の教育連携支援事業
  • eラーニングのためのコンテンツ、ソフトウエアーの製作、流通の促進事業
  • eラーニングを活用した教育手法の調査研究事業
  • 上記事業活動に関する連絡、助言または援助
引継ぎ確認作業 サポートデスク 講義のサポート

2009年4月からは、運用サポートとヘルプデスク業務をCCC-TIESが実施することになりました。17人の大学生アルバイトを中心としたサポートデスク体制 を整えて、TIESを利用される全国大学の先生方の支援を行っています。

アルバイトをしている学生スタッフは、授業の合間の時間を使ってサポート業務を行っていますが、業務の統一を図るため、月曜の昼休みに全員が集合し て引継ぎを行うことにしています。先生方との電話でのやり取りで対応マナーが身に付くメリットもあるそうです。

● 効果

利用する学生達にとっては、予習や復習などの履修の履歴が残り、多様な学力や学習意欲にきめ細く対応ができること、教授達にとっては教材の電子化に よる時間の有効活用、講座内容の分析、自己評価を可能にするメリットが有ります。また、履修の履歴は、社会人になってからも利用できるため、生涯学習に も使用できるというメリットもあります。

● 今後の計画

賞状

1996年にTIESプロジェクトがスタートして以来、2004年(H16 年)には大学情報教育方法研究発表会で、最優秀研究として文部科学大臣から表彰を受ける成 果をあげています。この表彰において、『今後の大学教育に共通の課題である学習の動機付けを克服する上でも極めて有用なシステムであり、他大学のあらゆる 分野にも活用できることからその意義は大きく能力開発の面から抜群に評価出来る研究である』と評価され、その様な実績から文部科学省補助事業(戦略的大学 連携支援事業)に採択されました。

今後の方針として、関係機関との連携を一層蜜にし、教育コンテンツの充実、高度化、共有化の促進、教育手段、技術の研究開発、教育配信の環境整備に努め ること、可能ならば同種事業を実施している団体等との横断的な連携の下に、機能分担を行うなど、協働での事業を実施して幅広く利用者に喜んでもらうことを 目指そうとしています。また、他大学との履修単位互換の取り組みや、高等学校や産業界(自己研鑽)、地域住民(生涯学習)、行政への活用展開をする計画で、20 10年の夏頃には試験運用を開始するとのことです。

さらに、産業界、地域社会、行政の持つ教育的資源を共有化しあい利用者のニーズに合うコンテンツが容易に検索できる仕組みや、利用者の質問に応じる体制 づくりとか、公的資格取得にも役立つなどの利便性を高めると共に、コンテンツ提供者のインセンティブに結び付けるようなコンテンツ提供者、利用者、運営主体 の三方両得となる仕組みづくりが夢です。この実現に向け、独立運営できる新規事業の掘り起こし、収益事業の強化拡充、会員の増強の為に、人材の確保と事務局 体制の整備と強化が今後の課題であるとご説明を結ばれました。

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